川辺仏壇(読み)かわなべぶつだん

事典 日本の地域ブランド・名産品 「川辺仏壇」の解説

川辺仏壇[仏壇・仏具]
かわなべぶつだん

九州・沖縄地方、鹿児島県の地域ブランド。
伝統的工芸品指定された技術又は技法により製作された旧鹿児島県川辺郡川辺町産の仏壇。南薩の川辺地方には南九州市川辺町清水の渓谷を中心に平家の落人が一門の弔いのために彫ったとされる磨崖仏梵字が残されており、仏教にゆかり深い土地である。供養や仏教の伝道に勤しんでいた彼らによって川辺仏壇はつくられたとされ、800年余りの歴史がある。川辺仏壇は完全分業で製造する点が特徴。木地彫刻宮殿金具・塗り・蒔絵・箔押仕上の7工程に分別され、それぞれの職人が伝統の技を駆使して入念につくりあげる。杉・檜などを木地とし、天然本黒漆塗りをほどこしたあとに純金箔を押して仕上げる。生産額からみても全国有数の仏壇の産地である。1975(昭和50)年5月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。2007(平成19)年3月、特許庁の地域団体商標に登録された。商標登録番号は第5033691号。地域団体商標の権利者は、鹿児島県川辺仏壇協同組合。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

デジタル大辞泉プラス 「川辺仏壇」の解説

川辺仏壇

鹿児島県南九州市川辺町で生産される仏壇。国の伝統的工芸品に指定。

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世界大百科事典(旧版)内の川辺仏壇の言及

【川辺[町]】より

…町域の6割は杉,松,ヒノキなどの森林が占めている。川辺仏壇と称される仏壇の製造も盛んで,1975年に国の伝統工芸産業に指定された。鎌倉中期から明治中期にまで及ぶ清水(きよみず)磨崖仏があり,日本一といわれる大五輪塔がある。…

※「川辺仏壇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」