岩本宮(読み)いわもとぐう

日本歴史地名大系 「岩本宮」の解説

岩本宮
いわもとぐう

白山七社の一。長寛元年(一一六三)頃の成立と推定される「白山之記」に白山宮加賀馬場本宮(現白山比神社)四社の一として宮名がみえる。同書によれば宝殿・拝殿講堂・鐘楼・水宮や多くの小社を有し、「白鳥」という尼神を祀る奥宮があり、祭神は白山第二王子で僧形の禅師権現、本地仏は地蔵菩薩とされていた。名称は手取川河谷入口左岸の岩山、現辰口町岩本東方の天狗てんぐ壁にちなむと思われ、元来、同所の麓にあったのであろう。安貞二年(一二二八)四月八日に白山本宮において初めて行われた本宮、金剣きんけん(現鶴来町)、当宮三社の臨時祭で、渡御の列に当宮三綱の執当勝寂房、岩本神官弥二郎大夫・太郎大夫の名がみえ(白山宮荘厳講中記録)、神官二人は白山本宮の神主職を歴任してきた上道氏一族と思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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