辰口町(読み)たつのくちまち

日本歴史地名大系 「辰口町」の解説

辰口町
たつのくちまち

面積:五七・一三平方キロ

郡の南西部に位置し、西流する手取川の南岸にあたる。同川を挟んで北は川北かわきた町、北東鶴来つるぎ町に対し、南東鳥越とりごえ村、南西は小松市、西は寺井てらい町に接する。北部・西部は手取川扇状地南側の狭長な平地、南部・東部は標高一〇〇―一五〇メートル前後の能美丘陵、同四〇〇メートル内外の能美山地が続く。手取川から取水する宮竹みやたけ用水が北部平地を西流し、南部山間地をかけはし川支流で、館谷たちだに川などを合せる鍋谷なべたに川が西流する。中央部を主要地方道小松―鶴来線が横断、北西部を同金沢―小松線が通る。

灯台笹とだしの遺跡は県内で初めて発掘された旧石器遺跡として知られ、縄文時代の遺跡に中期の莇生あんぞ遺跡、晩期岩内いわうち遺跡などがある。能美古墳群の一角を構成する西山にしやま古墳群では弥生時代終末期の周溝墓や高塚古墳が確認される。下開発茶臼山しもかいはつちやうすやま古墳群は五世紀後半から六世紀前半にかけての築造で、九号墳は円墳ながら多数の副葬品が出土し、寺井町和田山わだやま五号墳などの盟主的前方後円墳にも匹敵する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報