朝日日本歴史人物事典 「岡部長職」の解説
岡部長職
生年:安政1.11.16(1855.1.4)
明治大正期の外交官,政治家。父は摂津国(大阪府)岸和田藩主岡部長発。長職は長発のあとを継いだ伯父長寛の養嗣子となり,明治1(1868)年襲封した。4年廃藩置県に伴い,同藩知事を免官となる。8年から16年にかけて欧米に留学。帰国後子爵に叙せられ英国公使館参事官に任じられた。青木周蔵外相の下で次官として条約改正に尽力したが,大津事件(1891)により辞職した。30年から31年にかけて東京府知事在任中に遷都30年祝賀会,市制特例廃止をみたほか,第2次桂太郎内閣の司法大臣として大逆事件(1910)を処理している。この間貴族院研究会の幹事として政党勢力の伸長に抵抗した。<参考文献>杉本勝二郎編『国之礎(華族列伝)』
(長井純市)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報