山手米(読み)やまてまい

精選版 日本国語大辞典 「山手米」の意味・読み・例文・類語

やまて‐まい【山手米】

〘名〙
中世において、山で薪や落葉などを採取する代償として、農民などが山の領主に対して上納した米。銭で納入した場合は、山手銭とよぶ。近世には小物成の一つになった。
※叡福寺文書‐慶長八年(1603)四月一六日「叡福寺仏供燈明料として〈略〉山手米共〈略〉無役に被仰付候」
② 持山への入会料として村落・個人が徴収する米銭

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世界大百科事典(旧版)内の山手米の言及

【小物成】より

…これらの雑税には大別して,(1)狭義の小物成,(2)浮役(うきやく)の2種が含まれていた。(1)狭義の小物成は,山林原野,河海池沼など,検地を受けない土地を対象として賦課されたもので,この中には例えば山年貢,野年貢,草年貢のように,対象地の面積(反別)を計測してこれに課したものと,山役,山手米,野手米,海役,池役などのように,反別を定めることなく,高外地の用益権に賦課したものがある。また,漆年貢,櫨(はぜ)年貢,茶役など,高外地に生育する草木の用益に対して課す場合もあった。…

※「山手米」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」