履修主義(読み)りしゅうしゅぎ

知恵蔵 「履修主義」の解説

履修主義

小・中・高校における進級卒業要件についての考え方。履修主義は、出席日数に不足がなければ成績にかかわらず進級・卒業を認める考え方、修得主義は、教育目標に照らして一定の成績を修めていることを条件として進級・卒業を認める考え方である。今日の日本では、義務教育段階では、履修主義になっている。単位制をとっている高等学校では、一定の単位数(現在は74単位以上)を修得することが卒業要件になっているが(修得主義)、必修教科科目については履修主義がとられている。話題となった高校での世界史未履修問題は、その言葉が示すように、必修科目である世界史を履修させずに卒業させていたという問題である。必修科目は修得していなくても、履修していれば他の科目を修得して最低卒業要件(74単位以上で各学校が定めている)を満たしていれば卒業できることになっている。

(新井郁男 上越教育大学名誉教授 / 2008年)

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