尺時計(読み)しゃくとけい

精選版 日本国語大辞典 「尺時計」の意味・読み・例文・類語

しゃく‐とけい【尺時計】

〘名〙 和時計一つで、箱形で壁に掛けて用いる時計。おもりを降下させて時刻を示すようにした、簡単な機構のもの。形が長方形であるところから短冊時計といわれ、初期のものは大きさが四尺(約一・二メートル)ほどあったが、のちには一尺(約三〇センチメートル)ぐらいのものとなり、短尺時計ともいわれた。
滑稽本・仮名手本蔵意抄(1813)「帯漏刻(ねつけとけい)水時計尺時計(シャクトケイ)の類許多(あまた)あり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の尺時計の言及

【時刻】より

…1844年(弘化1)に改暦された天保暦では,天体現象を示すのにも今までの定時法にかわってこの不定時法による時刻が用いられた。また和時計の種類に尺時計と呼ばれるものがあり,時刻の目盛盤がものさしに似ているところから,1辰刻を1尺あるいは2尺と表現しその細分時刻を寸,あるいは分と呼んだこともある。辰刻のおおざっぱな表現として上刻,中刻,下刻と分割していう用法もあった。…

【和時計】より

…これらの時計は現在の時刻法と同じ定時法のものであったが,日本はまだ不定時法の時代で,1873年(明治6)の改正までは西洋の時計はそのままでは日本では実用にならなかった。そこで基本的な機構を模倣しながら不定時法の時刻を示すようにくふうを加え,日本以外に類例のない二挺天秤(にちようてんびん),割駒式文字盤のような独創的な機構をもち,櫓(やぐら)時計,台時計,尺時計,枕時計,印籠時計などの,工芸的に見ても独創的できわめて優美な時計がつくり上げられたのである。もちろんこれは一挙に完成されたものではなく,初期の単純素朴な形の鉄製機械から始まって,約250年の間に発達したものである。…

※「尺時計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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