小脳梗塞、小脳出血(読み)しょうのうこうそく、しょうのうしゅっけつ(英語表記)Cerebellar infarction, Cerebellar hemorrhage

六訂版 家庭医学大全科 「小脳梗塞、小脳出血」の解説

小脳梗塞、小脳出血
しょうのうこうそく、しょうのうしゅっけつ
Cerebellar infarction, Cerebellar hemorrhage
(脳・神経・筋の病気)

 小脳には、体の運動(手足の動き、しゃべるための口・舌・のどの動き、眼の動きなど)をスムーズにする機能と、体のバランスを保つ機能とがあります。

 そのため小脳が侵されると、手足の運動のぎこちなさや、ろれつの回りにくさが現れます。また眼が勝手に動く眼振(がんしん)という症状から、めまい吐き気嘔吐(おうと)がみられたり、バランスが損なわれて体がふらつき、立てなくなることもあります。

 小脳梗塞ではこれらの症状がみられますが、治療は通常の脳梗塞と同じです。

 一方、小脳出血は、頭痛、めまい、嘔吐の3つの症状が特徴で(もちろん前記の症状も出ますが)、危険な病気です。

 一般に脳梗塞脳出血が起こると、脳がはれて圧が高くなります。小脳出血では、はれた小脳が近くの脳幹を圧迫する場合がありますが、脳幹には呼吸をコントロールする中枢があるので、ここが圧迫されると呼吸が止まる危険が生じます。そのため脳の圧を下げる目的で手術を行う場合もあります。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報