小日向砥石山(読み)おびなたといしやま

日本歴史地名大系 「小日向砥石山」の解説

小日向砥石山
おびなたといしやま

[現在地名]水上町小日向 一ノ沢

寛政三年(一七九一)の砥石山試掘につき返答書(小日向区有文書)によれば、砥石山は信州佐久さく郡の次左衛門によって創始され、その後農間稼として継承された。しかし上野砥石の請負人であった藤岡町の砥石問屋星野金左衛門と小日向村との間に販売市場をめぐる紛争もあって、一時休山した時期があった。文政七年(一八二四)新巻あらまき(現新治村)の三治郎・文左衛門の共同経営の形で再開されるが、直後に金左衛門との間で取交わした議定証文(同文書)では、切出し数量の制限とともに売りさばき範囲を沼田地域に限定するという条件が付された。天保一〇年(一八三九)の請負人から山名主あての砥山請負議定証文(同文書)には運上金について記されており、領主が山名主を通じて運上金などを徴収していたことをうかがわせる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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