小坂浦(読み)こさかうら

日本歴史地名大系 「小坂浦」の解説

小坂浦
こさかうら

[現在地名]丸亀本島町ほんじまちよう小阪こさか

ほんとまり浦の西南に位置し、北はおお浦。行政上泊浦に属した。江戸初期安芸国能地のうじ(現広島県三原市)の支村として集落が形成されたという。当浦の氏神大山おおやま神社は寛永一六年(一六三九)創建を伝えるので、その頃移住したと考えられる。江戸時代を通じて本島唯一の漁業村落を形成し、主として近海での底引網業に従事した。島民人名権をもたず、人名と対立することも多かった。幕末期の長州征伐の際人名の代役として加子役を負担したが、その代償としての人名権譲渡の約束が守られず人名と衝突、慶応四年(一八六八)騒動が起こった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の小坂浦の言及

【人名制】より

…毛頭は耕地を持たぬ無高百姓をさす間人(もうと)と同義であろう。本島の小坂浦は人名株を持たぬ毛頭のみの純漁村で,漁業税等を納入して漁業を営んでいたが,1868年(明治1)維新で人名の特権は解消したとして,人名諸浦と衝突,逆に焼打ちにあっている。これを小坂騒動とよぶ。…

※「小坂浦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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