小人・少人(読み)しょうじん

精選版 日本国語大辞典 「小人・少人」の意味・読み・例文・類語

しょう‐じん セウ‥【小人・少人】

〘名〙
① 幼少の人。少年子ども。こもの。しょうにん。
※保元(1220頃か)下「少人引具し奉ていづかたへも落行」
謡曲烏帽子折(1480頃)「鞍馬の少人牛若殿と、見奉りて候ふなり」
② 男色の相手の少年。若衆(わかしゅ)
※高野山文書‐(年月日未詳)(室町)高野別所狼藉制止置文案「放逸不善之輩相雑、或迎送少人、或置自房同宿」
③ 背の低い人。こびと。
※古今著聞集(1254)一「大なる人のあゆむ音きえへけり。〈略〉又小人のあゆみくる声す」
④ 徳のない品性のいやしい人。度量が狭く器量のない人。性根のひねくれた人。小人物。⇔君子
経国集(827)一・小山賦〈石上宅嗣〉「天下有山、地中生木、小人以遠、君子所育」
読本・椿説弓張月(1807‐11)前「三郎太夫忠重は、稟性(うまれつき)貪婪便妄の小人(ショウジン)にて」 〔論語‐陽貨〕
⑤ 身分の低い人。こもの。
玉葉‐元暦元年(1184)七月二日「院近臣如泰経之小人等、皆以存御即位之由云々」 〔書経‐無逸〕

しょう‐にん セウ‥【小人・少人】

〘名〙
① おさない人。少年。子ども。しょうじん。現代では、乗物料金入場料など、おとなと子どもの区別のある場合に、子どもをいう。
愚管抄(1220)七「この東宮、この将軍と云はわづかに二歳の少人なり」
大菩薩峠(1913‐41)〈中里介山〉如法闇夜の巻「神尾は小人(セウニン)じゃ、万一拙者故障を云へば屹度、拙者を恨むに違ひない」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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