小万/源五兵衛(読み)おまん/げんごべえ

朝日日本歴史人物事典 「小万/源五兵衛」の解説

小万/源五兵衛

浄瑠璃,歌舞伎などの登場人物。寛文期(1661~73)ごろ薩摩(鹿児島県)で起きたといわれる心中事件と,元文2(1737)年7月大坂曾根崎新地の色茶屋で,薩摩の侍早田八右衛門が湯女菊野をはじめ店の主人夫婦や下女ら合計5人を殺した殺人事件に取材する。芝居では寛政6(1794)年2月大坂中の芝居初演「五大力恋緘」(初代並木五瓶作)が有名である。このとき女性の名は菊野であったが,翌年江戸上演の際小万に変えられた。薩摩の侍源五兵衛はひょんなことから深川芸者の小万と恋仲になるが,訳あって,小万が偽りの愛想づかしをいうと,そうとは知らず,かっとなって殺してしまう。<参考文献>横山正『近世演劇論叢』

(武藤純子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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