専称寺(福島県)(読み)せんしょうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「専称寺(福島県)」の意味・わかりやすい解説

専称寺(福島県)
せんしょうじ

福島県いわき市平山崎にある浄土宗名越(なごえ)派の寺。山号は梅福山(ばいふくざん)。東北地方における浄土宗の総本山。寺伝によると、良山妙観(りょうざんみょうかん)の弟子良就(りょうじゅ)を開山とし、1395年(応永2)の開創。第6世仰観(ぎょうかん)良大に至り隆盛し、永正(えいしょう)年間(1504~21)に勅願所に列せられ、かつ妙観が開山である山崎矢ノ目の如来(にょらい)寺から檀林(だんりん)の称号を移し、浄土宗関東十八檀林の一つに列せられた。以後東北地方唯一の根本道場として発展した。寛永(かんえい)年間(1624~44)第13世良実のとき朱印70石を寄せられ、また伊達政宗(だてまさむね)の帰依(きえ)を受けた。1669年(寛文9)堂宇を焼失し、宝物を失った。境内は梅の名所である。

清水 乞]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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