デジタル大辞泉
「寺家」の意味・読み・例文・類語
じ‐け【寺家】
1 てら。寺院。
2 寺の者。また、僧侶。
「―捉へて、縄をつけ繋ぎ餧ふ」〈霊異記・中〉
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じ‐け【寺家】
[1] 〘名〙 仏語。
① 寺。寺院。寺当局。寺院の組織。
※令集解(738)田「古記云。問。家人奴婢並給二三分之一一。未レ知。寺家々人奴婢如何処分」
※大観本謡曲・
橋弁慶(1550頃)「同じ寺中にありとても、
学問だに勝れなば、他山の聞え、寺家
(じけ)の覚え、かたがた母も嬉しう思ふべきに」 〔続高僧伝‐二五〕
※霊異記(810‐824)中「寺家捉へて、縄を著け繋ぎ
ふ」
③ 寺院内部で、
塔頭(たっちゅう)(院家)に対する寺当局。寺格を表わす。
※
随筆・折たく柴の記(1716頃)下「灌頂・曼陀羅供の時、院家
(いんげ)・寺家同席の儀ある事は」
※春日社記録‐中臣祐定記・安貞三年(1229)正月三日「次寺家御参、祝役泰宗・祐定」
⑤ 比叡山延暦寺の役名。一山の寺務を扱う
執当のこと。
※本朝文粋(1060頃)五・請被以私稲加挙正税充給施無畏寺三昧料状〈
兼明親王〉「長以
二寺家返抄
一、勘会
二抄帳
一」
[2] 延暦寺(
山門)を
山家(さんげ)と称するのに対して、園城寺(三井寺・
寺門)を指す語。
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普及版 字通
「寺家」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
世界大百科事典(旧版)内の寺家の言及
【裃∥上下】より
…裃の小紋にも種々のきまりがあり,将軍家はじめ大名家でその家によって一定の留柄が用いられることもあったようである。この小紋型紙をもっぱら作っていたのが伊勢の白子(しろこ),寺家(じけ)の地であったが,ここは代々紀州家の領地で,その保護を受けていたので,他所で作ることはできなかった([型紙])。 裃には袴の長い長裃(略して長ともいった)および短い半袴をつけた半裃があった。…
※「寺家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」