寺(漢字)

普及版 字通 「寺(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音]
[字訓] もつ・てら

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は之(し)。寸は手にものをもつ形。寺は持の初文。金文の〔鐘(ちゅこうけいしょう)〕に「年に至るまで、を是れ寺(たも)て」とあり、また〔石鼓文、田車石〕に「秀弓寺射す」とあるのは待って射つ意であるらしい。いずれもその状態をしばらく持続することをいう。〔説文〕三下に「なり。法度なり」と官府の意を以て解するのは、漢以後の用義である。〔詩、大雅、瞻〕「時(こ)れ維(こ)れ寺」の寺は寺人、近侍の宦官をいう。外交の役所であった鴻臚寺を、のち浮(ふと)(僧)の居舎としたので、のち仏寺の意となった。

[訓義]
1. もつ、たもつ。
2. まつ、その状態をたもつ。
3. やくにん、宦官、そばづかい。
4. てら、やくしょ。
5. やかた、外国の使節のやどるところ、僧侶の宿するところ。
6. てら、寺院僧舎

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕寺 ツカサ・チカシ・チカヅク・ツカサドル・テラ・マツリゴト

[声系]
〔説文〕に寺声として特・峙・待・詩・等・時・侍・・恃・持・など十五字を収める。特定の状態を持続する意をもつ語のようである。詩の古文は之に従う形であるが、詩とは呪誦としてその呪能を維持するものの意であろう。

[語系]
寺・侍・俟zi同声。俟は待つ意。持・diは声近く、(たくわ)う、または人を待つ意である。

[熟語]
寺庵・寺域・寺院寺宇・寺影寺下・寺家・寺閣・寺額・寺官寺宦寺監・寺館・寺観・寺寺禽寺磬・寺庫寺刹・寺寺・寺舎・寺主・寺処・寺署・寺省・寺人寺前寺曹・寺僧・寺・寺庭・寺奴・寺塔寺内・寺尼・寺碑・寺壁・寺辺寺門・寺裏・寺楼
[下接語]
遠寺・閹寺・塢寺・壊寺・官寺・宦寺・寒寺・宮寺・棘寺・空寺・寺・寺・古寺・孤寺・湖寺・荒寺・寺・山寺社寺・秋寺・省寺・僧寺・台寺・塔寺・内寺・尼寺・破寺・廃寺・府寺・婦寺・仏寺・碧寺・法寺・坊寺・僕寺・末寺・名寺・野寺・林寺・列寺

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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