寝転(読み)ねこかす

精選版 日本国語大辞典 「寝転」の意味・読み・例文・類語

ね‐こか・す【寝転】

〘他サ四〙 (「ねごかす」とも)
① 横に寝かす。寝かしつける。
② 寝たままで放っておく。寝っぱなしにしておく。特に、遊里相手が寝ている間にいなくなる。
洒落本・娼妓絹籭(1791)二「忠兵衛は下ざしきくらい所に〈略〉身をしのびゐる折から梅川は座敷の客をねごかして手水の顔でここへ来り」
③ 寝たままで時をすごす。

ね‐こかし【寝転】

〘名〙 (「ねごかし」とも) 寝たまま放っておくこと。特に、遊里で相手が寝ている間にいなくなることをいう。
俳諧焦尾琴(1701)風「こんにゃくあたまあぐむこりすま〈里東〉 寐こかしを明日かへる迄ゆめいふな〈潘川〉」
滑稽本浮世床(1813‐23)初「コレ、よくてめへ寐ごかしにいたナ」

ね‐ころ・ぶ【寝転】

〘自バ五(四)〙 ごろっとからだを横にする。無造作に横になる。ねころばる。ねころばう。ねころがる。ねっころがる。
※為忠集(鎌倉中か)「荻の葉は吹く秋風つまやらんくるとひとしくねころひにけり」
咄本・私可多咄(1671)二「ゑむしろをよこにしきて、人々ねころひゐけるを見」

ね‐ころが・る【寝転】

〘自ラ五(四)〙 =ねころぶ(寝転)
煙管(1933)〈新田潤〉「そんな仕事の合間合間には仰向けに寝転(ネコロガ)って何かどうか本を読んでゐた」

ね‐ころば・る【寝転】

〘自ラ四〙 =ねころぶ(寝転)
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「おれはあぐらをかきましただが、おめへはねころばりましただの」

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