寝惚(読み)ねぼける

精選版 日本国語大辞典 「寝惚」の意味・読み・例文・類語

ね‐ぼ・ける【寝惚】

〘自カ下一〙 ねぼ・く 〘自カ下二〙
① 目がさめても、まだ夢うつつでぼんやりしている。十分目がさめきらないで、わけのわからない言動をする。ねほれる。ねとぼける。
堤中納言(11C中‐13C頃)思はぬ方にとまりする少将「御車奉り給へるよしを言ひければ、ねぼけにける心ちに、いづれぞとたづぬる事もなし」
② 色がはっきりしなくなる。ぼける。
社会百面相(1902)〈内田魯庵投機「色の褪(ネボ)けた緩々(だぶだぶ)した古洋服を着て」

ね‐とぼ・ける【寝惚】

〘自カ下一〙 ねとぼ・く 〘自カ下二〙
① =ねぼける(寝惚)①〔日葡辞書(1603‐04)〕
浮世草子好色二代男(1684)六「されども寝ぬに寝(ネ)とぼけて、一時は曙はやき事もありける」
② しらばくれる。とぼける。また、ピントのはずれたことを言ったりしたりする。
※雑俳・銭ごま(1706)「三年も立と退判寐とぼける」

ね‐ほ・れる【寝惚】

〘自ラ下一〙 ねほ・る 〘自ラ下二〙 (「ねぼれる」とも) =ねぼける(寝惚)
発心集(1216頃か)八「ねほれたる心に物詣と云事ふっと忘ぬ」

ね‐ぼけ【寝惚】

〘名〙 十分に目がさめないで、ぼんやりしている状態。また、その人。また、ぼんやりした人をののしっていう。
滑稽本八笑人(1820‐49)初「こう寐ぼけでゑへは、早く顔でも洗て飯でも食っし」

いね‐ほ・れる【寝惚】

〘自ラ下一〙 (「ほれる」はぼける意) ねぼける。
※咄本・日待ばなしこまざらひ(1684‐88)上「むかしうつけものいねほれてせうようにをきけるが」

ね‐とぼけ【寝惚】

〘名〙 ねぼけること。また、その人。
浄瑠璃大塔宮曦鎧(1723)つはもの万歳「ヤアさいふ和主が寝とぼけ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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