富木村(読み)とのきむら

日本歴史地名大系 「富木村」の解説

富木村
とのきむら

[現在地名]高石市取石とりいし一―四丁目・同六―七丁目・西取石にしとりいし一丁目・同三丁目

熊野街道(小栗街道)が村の東端を縦走し、富木川(下流は芦田川)が村の中央を西流。村域は東西約二町半・南北三町余で、西は高石北たかいしきた村。「播磨国風土記」に天智天皇の時代に讃容さよ中川なかつがわ里の人が、河内国とのき(和泉国は古く河内国のうち)の人から剣を買った話がみえる。「続日本紀」天平勝宝四年(七五二)五月一五日条に、中臣殿来連竹田売に外従五位下を授けたとあり、「新撰姓氏録」(和泉国神別)に殿来連がみえる。式内社等乃伎とのき神社鎮座地。なお「古事記」仁徳天皇段に「寸河」の西に高樹があり、その影は朝陽にあたれば淡路島に及び、夕陽にあたれば高安たかやす山を越えたという話があり、「寸河」は当地の川とも考えられるが確定できない。

建久七年(一一九六)七月四日付和泉国留守所下文案(「徴古雑抄」大鳥郷文書)に証判を加えた大鳥郷(中心は現堺市)刀禰五人のなかに「高石村刀禰殿来」がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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