宮妻渓谷(読み)みやづまけいこく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「宮妻渓谷」の意味・わかりやすい解説

宮妻渓谷
みやづまけいこく

三重県北部、鈴鹿山脈(すずかさんみゃく)の鎌(かま)ヶ岳と入道(にゅうどう)ヶ岳の間に発し、東流して伊勢(いせ)湾に注ぐ内部(うつべ)川上流部の渓谷。宮妻峡ともいう。四日市(よっかいち)市に属し、鈴鹿国定公園区域内で、交通の便もよく、ハイキング、キャンプ場として知られ、市営ヒュッテバンガローなどがある。秋の紅葉がとくに有名で、猿丸太夫(さるまるだゆう)が「奥山に紅葉ふみ分け鳴く鹿(しか)の声きく時ぞ秋は悲しき」(『小倉(おぐら)百人一首』)と詠んだのはこの渓谷(紅葉谷(もみじだに))であるという。四日市から宮妻口までバスの便がある。

[伊藤達雄]


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