室津庄(読み)むろつのしよう

日本歴史地名大系 「室津庄」の解説

室津庄
むろつのしよう

室津川上・中流域に成立した最御崎ほつみさき寺の荘園で、正安四年(一三〇二)三月三日付の後宇多上皇院宣案(「蠧簡集拾遺」所収金剛頂寺文書)に「土佐国室津一色事、所被寄附最御崎寺也、早凝无弐之誠精、宜祈四海之静謐者、院宣如此、悉之以状」とあり、この時後宇多上皇より最御崎寺に寄進されたことが知られる。この院宣の宛先は「我宝上人御坊」とあるが、我宝は金剛頂こんごうちよう寺一四世で、最御崎寺および京都槙尾西明まきのおさいみよう寺の住持を兼ねた真言僧であり、実質的には金剛頂寺の支配下にあったと考えられる。

我宝の解状に基づいて嘉元四年(一三〇六)三月二二日付で出された左弁官下文(同文書)によれば、我宝は「四海之安寧、一天之太平、宝祚延長」を祈るという理由で、永代にわたり「国衙之違乱」を停止して「未来之牢籠」を固めるため、荘号の宣旨を請願

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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