宗廟[ソウル](読み)そうびょう[ソウル](英語表記)Chongmyo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宗廟[ソウル]」の意味・わかりやすい解説

宗廟[ソウル]
そうびょう[ソウル]
Chongmyo

朝鮮王朝の歴代王と王妃のための祭祀を行なう場所。王朝時代に,精神世界の秩序を支配した礼制の頂点に立つ場所である。大韓民国 (韓国) ,ソウルの昌慶宮の南側に接し,敷地面積は約 22万m2 (6万 6191坪) に及ぶ。斉宮領域,正殿領域,永寧殿領域が順に配置されている。太祖3 (1395) 年に完成した宗廟は,およそ 200年後の宣祖 25 (1592) 年に豊臣秀吉軍による兵火で焼失し,のちに再建。正殿は 101m× 12mの規模で,切妻造の屋根をもつ。単純,素朴な空間構成であるが,エンタシス式の列柱が並んだ長大かつ厳粛な建築である。かつては正殿前の廟庭で年4回の祭礼を行なっていたが,1971年から毎年5月第1日曜日に宗廟祭礼を催すようになった。 1995年世界遺産の文化遺産に登録。

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