沖縄県八重山(やえやま)列島の竹富島で酒盛り唄(うた)として歌われてきた唄。作者、制作年代不詳。竹富島安里屋にいた絶世の美人クヤマを詠んだ叙事詩風のもので、美人をたたえ、さらに人生観として役人より島の男を選ぶといった歌詞である。それが沖縄本島へも広まったが、第二次世界大戦中、宮良長包(みやらちょうほう)がこの唄を編曲、流行歌調に仕立て直したところ、各節の終わりに繰り返される「マタハーリヌ チンダラ カヌシャマヨー」(離りゆく愛(かな)しき人、の意)が、本土からきた兵隊には「死んだら神さまよ」と聞こえるため、世相風刺と自嘲(じちょう)から盛んに歌われ始め、日本中に広まった。
[竹内 勉]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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