安濃川(読み)あのうがわ

日本歴史地名大系 「安濃川」の解説

安濃川
あのうがわ

布引ぬのびき山地を源とし、きようヶ峰(八一九・三メートル)錫杖しやくじよう(六七七メートル)の間の河内こうち谷を縫って流れ、平野部に出ると、郡内を東南方へ貫流して、伊勢湾に入る。途中で穴倉あなくら川・美濃屋みのや川などを合流する。「三国地志」は「江家次第」に「渡安濃川三瀬」とあるのを引いて、「夫木抄」の「すゝか山いせぢ(伊勢路)にかよふみせ川のみせばや人にふかき心を」(読み人しらず)をこの川の歌とする。「按、古ヘ神宮ヘ勅使、道ハ関ヨリ椋本ヲ経テ雲出ニ至ル今云中郡道、安濃川ヲ三度渡ル神山村、曾根村、刑部村ノ三本松ノ上ニテ渡ル故ニ、三瀬川ト詠スルナラン。安濃川ハ其総名也」と注するが、河名を三瀬川とよんだ例はほかにない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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