宇鉄村(読み)うてつむら

日本歴史地名大系 「宇鉄村」の解説

宇鉄村
うてつむら

[現在地名]三厩村宇鉄

東は三厩村支村の中浜なかはまに接し、津軽半島の北端までの海岸沿いの地域。北東は津軽海峡に面し、西は中山なかやま山地小泊こどまり(現北津軽郡小泊村)に接する。浜名はまな(現今別町)の支村の六条間ろくじようま藤島ふじしま釜野沢かまのさわ元宇鉄もとうてつの小集落が海岸に沿って点在し、藩政期にはそれぞれ村とよばれた。明治一一年(一八七八)一括して宇鉄村となる。

正保二年(一六四五)の津軽郡之絵図に村名はないが「うてつ崎」「うてつの間弁才三艘ほと掛間北風悪 但此間より松前江船路六里と申伝候」などとあり、遠見番所が描かれ、「狄村」ともある。貧しい漁村のみで、寛文一〇年(一六七〇)の松前への海上船道積(津軽一統志)に「うてつより七里」とあり、御領分狄の覚(同書)に「宇鉄村 四郎三郎」「宇鉄村 藤蔵」とあるが、検地帳や郷帳にはまったく現れない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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