宇津谷郷(読み)うつのやごう

日本歴史地名大系 「宇津谷郷」の解説

宇津谷郷
うつのやごう

古代の有度うど内屋うつのや(和名抄)を継承した郷名。宇津屋・宇都谷・内屋などとも記し、現宇津ノ谷付近に比定される。文治五年(一一八九)一〇月五日、手越家綱に麻利子まりこ(丸子)一色を与えるよう、「内屋」沙汰人に下知されており(吾妻鏡)、当時の内屋の範囲は丸子まりこをも含んでいたらしい。「平家物語」や「太平記」では、東海道を西行する際、手越てごしの次に宇津谷をあげている。建長元年(一二四九)七月二三日の関東下知状(尊経閣古文書纂)によると、「宇都谷郷」は鎌倉久遠寿量くおんじゆりよう院領で、岡部権守が領知していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報