大学事典 「学域/学府」の解説
学域/学府
がくいき/がくふ
大学には,教育研究上の基本組織として学部あるいは研究科が置かれるが,ただし書きとして学部や研究科以外の基本組織を設けることができる(学校教育法85条,100条)。新構想大学の筑波大学における学系・学群制もそうであるが,近年,他大学においても学部・研究科に代わる基本組織が数多く見られるようになった。学域や学府もその一つである。学域は従来の学部に代わる新たな組織で,これまでに比べてより広い学問領域の組織となっている。金沢大学や大阪府立大学などでは,学部・学科に代わる学域・学類制を導入している。たとえば金沢大学の場合,人間社会学域,理工学域,医薬保健学域の三つの学域を設け,それぞれ6学類,6学類,4学類を配置している。他方,学府は従来の研究科に代わる組織で,学生の所属する教育組織となっている。東京大学や九州大学などの大学院に見られ,教員組織(研究組織)としての学環や研究院に対置する組織となっている。たとえば東京大学では情報学環・学際情報学府,また九州大学では法学府・法学研究院,工学府・工学研究院といった名称で設置されている。
著者: 清水一彦
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報