威・脅・嚇(読み)おどし

精選版 日本国語大辞典 「威・脅・嚇」の意味・読み・例文・類語

おどし【威・脅・嚇】

〘名〙 (動詞「おどす(威・脅)」の連用形の名詞化)
① おどすこと。恐れさせること。
※十訓抄(1252)一〇「事の由を在国司基衡にふれけり。此事おどしにこそせさせたりけれ」
② 相手に不利な材料をもとにして金品をゆすったり、害を加えると通知して特定の行為を迫ったりすること。恐喝脅迫
西郷隆盛(1918)〈芥川龍之介〉「これ位な嚇しに乗せられて、尻込みするやうな自分ではない」
田畑にくる鳥獣をおどすために作ったもの。案山子(かかし)などの類。鳥おどし。《季・秋》
※虎明本狂言・瓜盗人(室町末‐近世初)「用心におどしに、にんぎゃうを作ておかふ」

おど・す【威・脅・嚇】

〘他サ五(四)〙 (「おじる(怖)」の他動詞形)
① こわがらせる。恐れさせる。脅かす。脅迫する。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※宇津保(970‐999頃)楼上下「『かくおどしきこゆべかりけれ』とて、大将を近く召してせめさせ給へど」
② はっと気付かせる。びっくりさせる。驚かす。
※枕(10C終)九「日のさし入りたるに、ねぶりてゐたるを、おどすとて」
③ 凝(こ)ったことをする。趣向をかまえる。
洒落本・北華通情(1794)「みしを美石などとおどして」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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