用心(読み)ようじん

精選版 日本国語大辞典 「用心」の意味・読み・例文・類語

よう‐じん【用心・要エウ心・要エウ慎】

〘名〙
① 心を用いること。心づかいをすること。用意
※性霊集‐四(835頃)請赦元興寺僧中璟罪表「見苦起悲、観音用心」
※倫敦塔(1905)〈夏目漱石〉「台の前部に藁が散らしてあるのは流れる血を防ぐ要慎と見えた」 〔論語‐陽貨〕
② 特に、仏道を修行する者がする心がけ。心くばり。
※三教指帰(797頃)下「用心荀善。金閣銀閣、倏忽翔聚。授以甘露
万一に備えて注意を払うこと。あらかじめ警戒して怠らないこと。警戒。
吾妻鏡‐治承五年(1181)三月七日「依御用心、召義澄行平定綱盛綱景時、令于御座左右
※人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)初「是は、子育ての故のみならで、女主人の他聞(ひとぎき)を、つくろひ防ぐ要心(エウジン)にて」
[補注]元来「用心」と書くが、中世後期以降「要心」「要慎」等の表記が見える。これは平安末以降「用」の字音ヨウ」と「要」の字音「エウ」との区別がなくなったことによる混同から生じたあて字と考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「用心」の意味・読み・例文・類語

よう‐じん〔ヨウ‐|エウ‐〕【用心/要心】

[名](スル)
心をくばること。気をつけること。「風邪をひかないように―する」
万一に備えて注意・警戒を怠らないこと。「火の―」「―の悪い家」
[類語](1)(2注意警戒戒心配慮用意留意心掛け気配り気遣い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「用心」の読み・字形・画数・意味

【用心】ようじん

用意。

字通「用」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android