姉様・姐様(読み)ねえさん

精選版 日本国語大辞典 「姉様・姐様」の意味・読み・例文・類語

ねえ‐さん【姉様・姐様】

〘名〙 (「さん」は「さま」の変化した語)
① 姉を敬っていう語。あねさま。ねえさま。ねいさん。
※雨の日ぐらし(1891)〈山田美妙〉糸犬一郎「『姉(ネエ)さん!』呼び掛けられて姉も一郎の方を向き」
② 年ごろの若い女性を親しんで呼ぶ語。
滑稽本浮世床(1813‐23)初「今に美い姉(ネヘ)さんがお出だよ」
③ 旅館・料亭などで客が女中を呼ぶ語。
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二「ヲイねへさん酒と牛肉(なま)のかはりだかはりだ」
芸者・女給などで、経験を積み先輩として敬われる者。また、その者を呼ぶ語。
人情本・英対暖語(1838)三「姉(ネヘ)さん御一人かへ、ト側に座る。これはお房が米八を、姉とも頼みし言葉にて、常にいふ姉上(ネヘ)さんの軽薄にはあらず」

ねい‐さん【姉様・姐様】

東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉初「婦公(〈注〉ネイサン)請ふ廉価にして而して伴はん下谷の帰車也」
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉六「オイ姐(ネイ)さん、勘定だ勘定だ」

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