デジタル大辞泉
「奴俳諧」の意味・読み・例文・類語
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やっこ‐はいかい【奴俳諧】
〘名〙 近世初期、江戸で流行した
奴詞(やっこことば)を用いて作られた俳諧。承応期(
一六五二‐五五)にすでに
文献に見え、江戸俳人の作が多いが、京の
立圃のものなどもある。寛文七年(
一六六七)に刊行された可徳編、定興判の「ゑ入清十郎ついぜんやつこはいかい」が著名。
※咄本・百物語(1659)上「やっこはいかいとて人のしけるを聞しに」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
奴俳諧 (やっこはいかい)
俳諧用語。奴ことばを句ごとに詠みこんだ俳諧をいう。武家奉公などをした奴は特異の服装や言動をしたが,そのスラングが奴ことば(六方詞(ろつぽうことば)とも)である。奴俳諧は寛文期(1661-73)を中心に流行,可徳編・定興判《ゑ入清十郎ついぜんやつこはいかい》(1667)をはじめ,立圃(りゆうほ),半井卜養(なからいぼくよう),ケ庵等の独吟歌仙が知られている。芭蕉の《貝おほひ》(1672)も奴ことばを多用する。
執筆者:乾 裕幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報