女郎・女童(読み)めろう

精選版 日本国語大辞典 「女郎・女童」の意味・読み・例文・類語

め‐ろう ‥ラウ【女郎・女童】

〘名〙
① 女の子。少女。童女。めのわらわ。めろ。
※名語記(1275)八「下女をいふ詞にめらう如何。答女童。めのわらはなり。中のわ反りてな也。めならはをめらはと云也」
雑談集(1305)三「女房の女童(メラウ)ぐして、西へ行しを」
② 女をののしっていう語。めろ。
※俳諧・やつこはいかい(1667)「小町と云めらふが歌は、なよなよとよむ。女の歌なればなり」
浄瑠璃・源氏冷泉節(1710頃)上「サアめらうめ、そこ立たぬかとねめつけられ」
③ 人につかわれる身分の低い女。めろ。
※玉塵抄(1563)九「さうじ婦人のめらうにつかわるるやうにはすまいと云心か」
[語誌](1)「めわらわ(女童)」の転じた「めらわ」が更に形を変えて成立した語。近世には「めろ」ともなる。元来は「童女」を意味したが、室町時代には「めろうの腐ったような」という表現も生まれ、女性をののしっていう語へと変化する。「若い男」を意味する「やろう(野郎)」が、男性をののしっていう語へと変化したのと似ている。
(2)「やろう(野郎)」とは語源的には共通性はないが、たまたま「━ろう」を構成部分としてもつので、対で意識され、意味の変化に伴って、表記も「女童」から「女郎」へと変わったものと思われる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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