奥山郷(読み)おくやまごう

日本歴史地名大系 「奥山郷」の解説

奥山郷
おくやまごう

現水窪町から佐久間さくま町にかけての水窪川流域に比定される。郷名は「おくのやま」とよばれたものか。正和二年(一三一三)五月二日の関東下知状(尊経閣古文書纂)に「奥山郷避前村」とみえ、同村は現佐久間町佐久間付近に比定される。避前村などは天野新左衛門入道観景(景茂)遺領で、その相続をめぐって子息天野顕茂と景広の間で相論となり、正和二年四月武蔵国由比ゆい本郷(現東京都八王子市)の三分一などを顕茂から景広へ渡すことで和与となった。ただしこの時の避前村の処分は不明で、顕茂のもとに残されたのであろう。文保元年(一三一七)には顕茂・景広と同じく観景の子尼是勝との間の相論が和与となり、避前村の半分が顕茂から尼是勝へと引渡された(同年六月七日「関東下知状」同書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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