夷歌(読み)エビスウタ

デジタル大辞泉 「夷歌」の意味・読み・例文・類語

えびす‐うた【×夷歌】

歌曲の歌いぶりで、粗野な田舎風のもの。ひなぶり。
古今仮名序貫之の書ける、天の浮橋の―と云ふは則ち連歌なり」〈筑波問答
狂歌
「おしなべて―大はやり」〈咄・一雅話三笑〉
[補説]古事記の「夷振ひなぶり」、日本書紀の「夷曲ひなぶり」が誤解されて生じた語。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「夷歌」の意味・読み・例文・類語

えびす‐うた【夷歌】

〘名〙 (古事記の「夷振(ひなぶり)」、日本書紀の「夷曲(ひなぶり)」を誤読、誤解したところから出た語)
未開の民の歌。芸術的に洗練されていない、素朴で拙劣な歌。
※古今(905‐914)仮名序「せうとの神のかたち、丘谷にうつりて輝くをよめるえびすうたなるべし。これらは、もじの数も定まらず、歌のやうにもあらぬことどもなり」
② 狂歌の異称
洒落本・無駄酸辛甘(1785)序「去年(こぞ)まではさしも流行せしゑびす哥も、悪凶年に及んでは、皆連中をまぬがれ、会へも出ずして狂名をけづる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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