天保検地(読み)てんぽうけんち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天保検地」の意味・わかりやすい解説

天保検地
てんぽうけんち

天保期(1830~44)の諸藩藩政改革一環として行われた土地丈量。このころには藩体制の基礎である土地制度が混乱し、村々の田畑の実面積・等級などに差異が広がり、富農貧農との間の不公平が甚だしくなった。そこで農民負担の公平、藩の貢租収納確保のためにも検地が必要となったが、藩により実施内容に差異がある。

 たとえば水戸藩では「経界を正す」との方針で実施された。1641年(寛永18)以来二度目の全領検地である。実施にあたっては上士・富農層の反対もあったが、丈量の単位も従来の一間六尺制を六尺五寸制としたので、結果的には総石高(こくだか)の減少をみた。しかし2年余りを経過した検地の意義は大きい。

[佐久間好雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android