大津別院(読み)おおつべついん

日本歴史地名大系 「大津別院」の解説

大津別院
おおつべついん

[現在地名]大津市中央二丁目

真宗大谷派。本尊阿弥陀如来。大津御堂・大津御坊桜町さくらまち御坊とよばれた。宗教法人名は真宗大谷派大津別院。慶長五年(一六〇〇)教如により起工され、同年六月には本尊などの移徙が行われ、「重要日記抜書」に「朝大津へ移徙に下向」とあるように、教如自ら遷仏開眼の法要を親修した。寺地華階けかい(現大津市)末寺の屋敷を買取ったものだが、これは直参門徒の扇屋道順・奈良屋道覚・納屋法善・長浜屋平左衛門らがあたったとされる(「大津御坊記録」寺蔵文書)。これら門徒は大津町の有力商人とみられ、とくに扇屋を号する商人は米商で大津町惣年寄になる矢島藤五郎であろうという。矢島自身、徳川家康とのつながりがあったが、教如も関ヶ原の合戦後は家康と密接な関係になっていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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