日本大百科全書(ニッポニカ) 「大泉寺(山梨県)」の意味・わかりやすい解説
大泉寺(山梨県)
だいせんじ
山梨県甲府市古府中(こふちゅう)町にある曹洞(そうとう)宗の寺。万年山(まんねんさん)と号する。本尊は釈迦如来(しゃかにょらい)。天桂伝尊(てんけいでんそん)を開山、武田信虎(のぶとら)を開基として大永(たいえい)年中(1521~28)に創建され、室町・江戸期を通じて甲斐(かい)の曹洞宗800余寺の僧録司(ろくす)であった。5世甲天(こうてん)のとき火災にかかったが武田信玄によって再建された。徳川氏をはじめ歴代領主にも保護され、領主浅野家の菩提(ぼだい)所となった。境内には武田勝頼(かつより)建立の霊廟(れいびょう)があり、信虎・信玄・勝頼の木像を安置している。寺宝の絹本着色武田信虎像、中国元代の絹本墨画松梅図は国の重要文化財。
[菅沼 晃]