大松前町(読み)おおまつまいまち

日本歴史地名大系 「大松前町」の解説

大松前町
おおまつまいまち

[現在地名]松前郡松前町字福山ふくやま

近世から明治三三年(一九〇〇)まで存続した町。近世は松前城下の一町。大松前おおまつまえ川の下流左岸に位置し、西は同川を挟んで小松前こまつまい町、東は枝ヶ崎えだがさき町。両町や唐津内からつない町とともに城下の有力商人が店を構える町であった。シャクシャインの戦に関連して「津軽一統志」に「大松前」と町名がみえる。大松前川河口は松前湊のうちでも最も澗口の広い船入澗で、おそらく福山館築城以前から重要な地域であったとみられる。慶長―寛永年間(一五九六―一六四四)には材木屋七郎右衛門・恵美須屋弥三右衛門・天満屋専右衛門ら近江系商人がすでに出店していたという(阿部家文書・西川家文書)。宝暦年間(一七五一―六四)の松前屏風にも近江系商人の出店が並び、人々が行交う様子が描かれている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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