大明宮(読み)たいめいきゅう(英語表記)Dà míng gōng

改訂新版 世界大百科事典 「大明宮」の意味・わかりやすい解説

大明宮 (たいめいきゅう)
Dà míng gōng

中国,唐の長安城の北東にあった宮城。三大内(だいだい)の東内。634年(貞観8)に建設。662年(竜朔2)に重建,蓬萊宮と改称し,705年(神竜1)より旧名に復した。含元殿を正殿,丹鳳門を正門とし,含元の北に宣政殿(左右に中書門下省)や紫宸殿などを配した。1957-59年に規模,城垣,宮牆,門,宮殿,池渠の遺跡分布測量調査があり,そのうち玄武,銀漢,重玄など4門,麟徳殿跡や西内苑の含光殿跡および夾城などが発掘された。
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世界大百科事典(旧版)内の大明宮の言及

【長安】より

…太極宮は宮中の正殿で皇帝の居住する宮,東宮は皇太子の居住する宮,掖庭宮は皇妃,宮女などの居住する宮である。ただ高宗のときから皇帝は城の北東の大明宮に居住するようになったため,太極宮は西内,大明宮は東内と呼ばれ,玄宗のときに興慶坊につくられた興慶宮の南内とあわせて三大内と呼ばれた。太極宮は南面中央に承天門があり,この門で詔令を発布したり赦宥(しやゆう)を行ったりするので前朝と称されたが,この門の次に嘉徳門があり,つづいて太極殿に達する。…

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