大明令(読み)だいみんれい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大明令」の意味・わかりやすい解説

大明令
だいみんれい
Da-Ming-ling

中国,明代の基本法典の一つ。1巻。李善長らの奉勅撰。洪武1 (1368) 年公布された。『唐令』以来の伝統を盛込んではいるが,その編成は『唐令』などとは若干異なり,吏令,戸令,礼令,兵令,刑令,工令の6編 145条から成っている。こうした編目の立て方は『元典章』を模したものといわれる。この『大明令以後は令の発布はなく,代って新たに『大明会典』などの総合法典が編纂,実施されるようになった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大明令」の意味・わかりやすい解説

大明令
だいみんれい

中国、明(みん)の洪武帝(こうぶてい)が1367年、明律とともに李善長(りぜんちょう)に編集を命じ、68年に公布した令。明令ともいう。その構成は唐令とは異なり、吏・戸・礼・兵・刑・工令の六令とし、条数も大幅に削減されて145条となった。しかし、唐律の名例編にあたるものも収録している。明では令の改訂補足はその後行われなかったが、それは1393年の諸司職掌や正徳・万暦(ばんれき)会典など総合行政法典が令にかわって用いられたためである。

[川勝 守]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「大明令」の解説

大明令(だいみんれい)

明代の法典。1368年(洪武元年)公布。吏令,戸令,礼令,兵令,刑令,工令の6編,全145条。唐令を範とし,宋元の法を参酌して編纂しているが,構成には明独自の特色がある。

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