精選版 日本国語大辞典 「大宰府・太宰府」の意味・読み・例文・類語
だざい‐ふ【大宰府・太宰府】
[1] 〘名〙 (大宰府) (古くは「ださいふ」) 令制で、天智天皇三年(六六四)筑前国(福岡県)筑紫郡に設置された地方官司。九州諸国の行政管理や外国使節の接待、海辺防備、大陸からの商船の貿易管理などの対外関係の諸事をつかさどる。中央政府と九州諸国の間にあって「非京非国中間孤居」(三代格)して独自の政治的機能をはたした。職員に、主神(かんづかさ)一人、帥(そち)、大弐各一人、少弐、大少監、大少典各二人、大少判事以下があり、防人司・主船司・蔵司などの諸司があった。天平一四年(七四二)一時廃止されて筑前国司を置き、同一五年一二月筑紫鎮西府が置かれ、同一七年六月復活した。九世紀以後、親王を帥に任ずるのが慣例となって、権帥・大弐が実質的な政務を執った。鎌倉時代には幕府によって任命された鎮西奉行が駐在して大宰府守護所と称され、さらに御家人武藤氏が少弐を世襲してからは北九州三国の守護所となったが、南北朝・室町以後、その律令官制上の機能を失っていった。現在、福岡県太宰府市にその遺跡がある。だざいのふ。おおみこともちのつかさ。
※令義解(718)職員「大宰府〈帯二筑前国一〉」
※平家(13C前)八「平家は筑前国三かさの郡太宰府にこそ着給へ」
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