福岡県中西部の市,1955年太宰府町が水城(みずき)村と合体,82年市制。人口7万0482(2010)。三郡(さんぐん)・脊振両山地を分け,福岡・筑紫(つくし)両平野を結ぶ二日市(ふつかいち)構造谷の要地を占める。664年(天智3)水城が築かれ,まもなく大宰府の政庁が那津(なのつ)から移され,平城京の約1/3規模の条坊制古代都市が建設され,政治・経済・文化の中心となった。大宰府の都府楼跡,水城跡,大野城跡,四王寺跡の各特別史跡をはじめ,国宝の梵鐘など文化財の多い観世音寺,菅原道真をまつる太宰府天満宮,筑前国分寺・同瓦窯跡,刈萱(かるかや)関跡など史跡に富み,九州歴史資料館があり,2005年には九州国立博物館が開館した。JR鹿児島本線,西鉄大牟田線・太宰府線,国道3号線,九州自動車道が通じる。福岡の市街地へ電車で約30分の距離にあり,住宅や5大学・4短大が進出し,衛星都市としての発展がめざましい。
執筆者:土井 仙吉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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