多和神社(読み)たわじんじや

日本歴史地名大系 「多和神社」の解説

多和神社
たわじんじや

[現在地名]志度町志度

志度町の西端、国道一一号沿いにある山王さんのう山北麓に鎮座する。祭神は正殿に速秋津比売命、相殿に大鞆和気命・帯仲津彦命・天照大日売尊・息長帯姫命・大雀尊・倭武尊を祀る。旧郷社。讃岐三宮ともいわれる。「讃岐国官社考証」が「延喜式」神名帳寒川さんがわ郡「多和タワノ神社」に比定するが、同社については異説が多い(津田町の→大森神社。志度大宮とも称し、古くは志度寺境内にあったという。社伝では速秋津比売命が授けた鏡を御霊代とし、多和大神として鎮祭したのにはじまるという。

多和神社
たわじんじや

[現在地名]長尾町前山

鴨部かべ川上流の谷間に鎮座する。祭神大己貴命。俗に大田尾おおたお明神という。もと宇佐うさ神社境外末社。社記によると天長元年(八二四)空海と藤原政富が大和国大三輪の神を勧請、多和大明神としたという。「讃岐国名勝図会」は「延喜式」神名帳寒川さんがわ郡の「多和タワノ神社」に比定。「全讃史」も式内社に比定し、祭神多和神は讃岐忌部氏の祖手置帆負命で、往古この地を多和郷と称したので地名をもって神名としたものとし、また「今只だ礎石のみ存せり。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報