外聞・外分(読み)がいぶん

精選版 日本国語大辞典 「外聞・外分」の意味・読み・例文・類語

がい‐ぶん グヮイ‥【外聞・外分】

〘名〙
内部物事を、外部の人に聞かせること。また、外部に知られること。世間でうわさされること。〔明衡往来(11C中か)〕
※虎明本狂言・居杭(室町末‐近世初)「まいらねばならず、まいればはらるる、ぐゎいぶんもめいわくに御ざある」 〔隋書東夷伝
② 外から見える様子。世間の人に対する体裁
※虎明本狂言・止動方角(室町末‐近世初)「太刀などもたするは、外聞でこそあれ、一人に色々の物をもたせては、めんぼくをうしなふ事なれ共、がてんがゆかぬ」
浮世草子世間胸算用(1692)二「人の心ほどおそろしきものは御座らぬ。両方の外聞(グイブン)、見せかけばかりに内談と存ずる」
③ (形動) すぐれたものと認められること。また、それを誇らしく思うこと。名声。評判。名誉。
※伊達家文書‐(天文一七年カ)(1548か)一一月一三日・巣林庵等祥書状「被御同心候者、天下外聞、併可御武運御長久候」
浄瑠璃小野道風青柳硯(1754)一「仲間中(ぢう)えの聞えといひ、外聞でござります」

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