声作(読み)こわづくる

精選版 日本国語大辞典 「声作」の意味・読み・例文・類語

こわ‐づく・る【声作】

〘自ラ四〙
① ふつうとは違った改まった声を出す。つくり声で話す。
源氏(1001‐14頃)末摘花「知りがほならじとて、御送りにともこはづくらず」
② 自分の存在相手に知らせるためにせきばらいをする。しわぶきをする。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「立ちよりてこはづくり給へば、このうつほの人、琴をひきやみて、あやしがりて見給へば」
悪霊などを寄せつけないために、特別な声を出す。
※源氏(1001‐14頃)夕顔随身弦打(つるうち)して、たえずこわづくれと仰せよ」

こわ‐づくり【声作】

※天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃)「夜中に忽ち霊座の上に呻(によ)ひ吟(コワツクリする)を聞く」

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