弦打(読み)つるうち

精選版 日本国語大辞典 「弦打」の意味・読み・例文・類語

つる‐うち【弦打】

〘名〙 悪霊、魔、けがれを退散させるまじないとして、弓の弦を引いて鳴らすこと。また、それをする役の人。鳴弦(めいげん)弓弦(ゆづる)打ち。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「御湯度々まゐりて、つるうちしつつ」
義経記(室町中か)四「鐘を撞くやうに、つるうちちゃうちゃうどして」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の弦打の言及

【鳴弦】より

…弓に矢をつがえずに,弓弦(ゆづる)だけを引いて放し,ビュンと鳴らすことによって,妖魔(ようま)を驚かせ退散させる呪法。弦打(つるうち)ともいう。弓矢の威徳による破邪の法で,後世になるとわざわざ高い音を響かせる引目(蟇目(ひきめ))という鏑矢(かぶらや)を用いて射る法も生じた。…

※「弦打」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」