増て・況(読み)まして

精選版 日本国語大辞典 「増て・況」の意味・読み・例文・類語

まし‐て【増て・況】

〘副〙 (動詞「ます(増)」の連用形に助詞「て」が付いてできたもの)
① 先行する状態よりも程度のはなはだしいさまを表わす語。それ以上に。他のものよりもひどく。今までよりも強く。いっそう。
万葉(8C後)五・八〇二「瓜食(は)めば 子ども思ほゆ 栗食めば 麻斯提(マシテ)(しぬ)はゆ」
② 先行する事態からすれば、それより度の進んだ場合、次のような状態が存するのは当然だ、と判断する気持を表わす語。下に推量、仮定表現を伴うことが多い。いわんや。なおさら。言うまでもなく。
※竹取(9C末‐10C初)「それが玉を取らむとて、そこらの人々の害せられんとしけり。まして龍をとらへたらましかば、又こともなく、我は害せられなまし」
徒然草(1331頃)七三「あるにも過ぎて人は物を言ひなすに、まして年月過ぎ、境も隔りぬれば、言ひたきままに語りなして」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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