境松村(読み)さかいまつむら

日本歴史地名大系 「境松村」の解説

境松村
さかいまつむら

[現在地名]黒石市境松一―三丁目・袋井ふくろい三丁目

黒石城下西方の平野部にあり、南の浅瀬石あせいし川対岸は追子野木おつこのき村。鎌倉時代から南北朝にかけて工藤氏が館を構えていた所で、黒石発祥の地といわれる。戦国時代に入り、大浦(津軽)為信は津軽統一を進めるうえでこの地を重視し、天正五年(一五七七)ここに黒石館を築き(津軽歴代記類)、慶長年間(一五九六―一六一五)晩年の一時期をここで過ごした(津軽一統志)。境松の熊野宮は当時は飛竜ひりゆう権現で、津軽為信の内神であったという(浅瀬石川郷土誌)

天和四年(一六八四)の境松村絵図(浅瀬石川郷土誌)によると、家数二六のうち一二が新田屋敷とあり、この頃新田開発が盛んであったことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報