垢抜(読み)あかぬけ

精選版 日本国語大辞典 「垢抜」の意味・読み・例文・類語

あか‐ぬけ【垢抜】

〘名〙 容姿態度技芸などが洗練されて素人離れしていること。また、都会風に洗練されてすっきりと粋(いき)なこと。
洒落本・蛇蛻青大通(1782)「垢抜(アカヌケ)のしたいろごとなるべし」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「小股の切上(きりあが)った、垢抜けのした」
[語誌]技芸の拙劣未熟な状態を「垢」にたとえる記述は「風姿花伝」に見える。のち、芸能以外にも容姿、態度、趣味などの洗練された状態を「垢の抜けた」という句で表現したことが、すでに「日葡辞書」に載せられている。「垢抜け」という一語の表現は近世になってからである。

あか‐ぬ・ける【垢抜】

〘自カ下一〙
① 垢やよごれなどが落ちてさっぱりとしている。垢が抜ける。〔語彙(1871‐84)〕
② 容姿、態度、技芸などが洗練される。都会風にすっきりと洗練されている。洒脱でさっぱりした感じである。垢が抜ける。
※雑俳・柳多留‐一二九(1834)「垢ぬけた浅黄行水聞きわける」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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