坂門牧・坂門庄(読み)さかとのまき・さかとのしよう

日本歴史地名大系 「坂門牧・坂門庄」の解説

坂門牧・坂門庄
さかとのまき・さかとのしよう

三箇院家抄(内閣文庫蔵大乗院文書)には「三十九坂門庄負所米」とあり、負所おつしよ米を得分とする興福寺大乗院領坂門庄の存在が考えられる。一方、建久二年(一一九一)の西大寺領諸庄薗現存日記事(西大寺文書)には「十市郡坂戸庄四町六段三百廿歩」がみえ、十市郡内に西大寺領坂戸庄の存在がうかがえる。坂門については佐位さみ(橿原市の→佐位庄に「十市郡廿四条六里三坪坂門田」があり、この坂門田は大字東新堂ひがししんどうの南辺に比定されるので坂門牧・坂門庄は東新堂辺りに一応比定される。

なお「小右記」の万寿四年(一〇二七)二月二七日条に「禅室(藤原道長)領坂門牧・関白(藤原頼通)領千代庄等雑人越来辛嶋牧、推作田畠、致濫吹(下略)」、「康平記」の康平五年(一〇六二)正月一三日条に載る「春日詣記」の正月五日の記事に「秣蒭 坂戸」とあり坂門(坂戸)牧は藤原頼通の春日詣のなかで秣役を務めている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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