国司浩助(読み)くにし・こうすけ

朝日日本歴史人物事典 「国司浩助」の解説

国司浩助

没年:昭和13.4(1938)
生年:明治20(1887)
大正期,遠洋トロール漁業の推進者。乃美平太の3男として神戸に生まれる。山口県国司家の養子となり,山口中学を経て水産講習所卒業。イギリスでのトロール研究をいかし田村市郎の経営する田村汽船漁業部でトロール漁業に着手。大正8(1919)年,共同漁業株式会社(のちの日本水産)を興し,同14年V・D式トロール漁法を採用した。以後昭和2(1927)年わが国初のディーゼルトロール汽船の建造,4年戸畑港の開設,5年急速冷凍冷蔵装置の装備化など,新技術の導入と科学的合理的な経営手腕によってトロール漁業発展の基礎を築いた。<参考文献>桑田透一編『国司浩助氏論叢』,宇田川勝「日産財閥の水産部門形成過程」(『経営志林』10巻2~4号,11巻1号)

(足立泰紀)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「国司浩助」の解説

国司浩助 くにし-こうすけ

1887-1938 大正-昭和時代前期の水産技術者。
明治20年生まれ。41年イギリスにわたり,トロール漁法を研究。44年帰国して田村汽船漁業部にはいり,トロール漁業をはじめる。ついで後身の共同漁業(のちの日本水産)でディーゼルトロール汽船を建造し,急速冷凍装置を導入した。昭和13年4月2日死去。52歳。兵庫県出身。水産講習所(現東京水産大)卒。旧姓は乃美。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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